どの様な企業が譲受けを
希望するのでしょう?

        
現在はM&Aブームです。企業を譲受けたいという会社は、非常に多くあります。私どもへ問い合わせのある企業の中でも約75%は会社を譲受けたいという希望の会社です。しかし、検討したいというのと実際に会社を譲り受ける行動に出る事は少し違う様な気がします。
やはりきちんとした必然性やシナジー効果(相乗効果)がないとなかなか企業の譲り受けの最終決断は出来ないものです。

では、譲り受け希望企業はどの様な会社があるのでしょうか。

1.創業社長の経営する成長期にあたる会社

こういった会社はシェアの拡大や他地区への進出を目的に非常に積極的なM&Aの実行を行っています。有名なところでは、ダイエーや加ト吉など皆さん方がよく新聞でご覧になっている企業があります。
これらの企業は成長期には積極的なM&Aを行ってきました。

2.第二創業期の企業

これは先代から息子が事業承継で会社を引き継いだ企業で、これから先、若社長が20〜30年希望に胸を膨らませて経営できる企業体にするために行うM&Aです。先代から引き継いだ事業は先代が20〜30年前に創業したもので、現在では事業として形態が古くなっているケースが多くあります。自分が今後20年間夢を託せる事業ではない場合は先代から引き継いだ事業をコアビジネスとしながらも未来に向かって有望な、しかも本業と関連する業種を展開していきたいという事で企業の譲り受けによって新しい事業を始めるケースがあげられます。又、第二創業の場合は事業承継をしたばかりであり、新規事業を自社で展開するほど自社で人材が育っていないケースが多いのでM&Aによる新規事業が有効となる訳です。

3.不況業種あるいは先行不安な業種

構造的な不況になっている業種では、本業で収益をあげることができません。そのまま赤字を続ければいずれは債務超過になり、銀行等の支援が受けれなくなります。したがって、まだ財務的に余裕があるうちに本業以外の収益構造を構築するためにM&Aを行い新規事業による多角化を目指すケースがあります。
例えば自動車メーカーの100%下請をしている会社だとか、造船の下請をしている会社、あるいは公共事業の請負を中心に行っている会社では、なかなか将来的にも不況を脱出するにはその人材や体質がついていきません。したがって、新しい収益構造を確保するために財務的に余裕があるうちにM&Aを行って、既にノウハウとか営業力のついている会社を買収して新しい収益構造を確保するという企業戦略が有効となってきます。

次に、譲受けの目的を考えてみたいと思います。目的は大きく分けて5つあります。

  シェアの拡大
同地区でシェアを拡大するためにM&Aを行ったりあるいは全国的な規模でシェアの拡大を目指してM&Aをするケースがあります。
 
  他地区への進出
例えば大阪で成功した会社が広島へ勢力を伸ばしたいとか、あるいは山口まで勢力を伸ばし、山陽道沿いに勢力を拡大していくという場合には、M&Aによる買収が大きな効果を発揮します。又、さらにこういった他地区への進出の場合で特に許認可のいる事業に関しては許認可を取得する所から自社で立ち上げるよりも、既に許認可を取得して活動している企業を買収をして行く方がスムーズな展開が図れます。

  川下産業への進出
例えば、洋服の製造業、アパレルメーカーが洋服の販売店やブティックのチェーン店を買収するといった様なケースです。現在は長引く不況の中にありますので、川下産業への進出が川上産業への進出より人気があります。好況期には商品を確保したい、あるいは材料を確保したいという事で川上産業への進出が重要なテーマになりますが、現在の様な不況期では営業力をいかに確保するか、営業構造をいかに構築するかという事が企業の大きな戦略になりますので、川下産業への進出が非常に大きな戦略として注目されています。

  新規事業による多角化
既にコアになっている事業が奮い場合、あるいは将来的にあまり魅力がない場合に新規事業による多角化によって新しい事業展開をしていくという事が考えられます。

  収益構造の確保
本業は本業で大事にしながらも、そこでは得られない収益を他の事態に求めて収益構造の確保をして行くという様なケースです。譲受けを希望する企業においては、漠然とM&Aを行うのではなく自社の企業戦略に基づいた明確な目的を持ってM&Aを検討する必要があります。