給与(残業代)の締めが間に合わなかった場合の対処について

Q.休日等の関係で給与、特に残業代の締めが当月の締め日に間に合わなかった場合、当月は概算で支払い、差額を翌月の給与に振り替えても問題ないでしょうか?

A.最高裁は過払い賃金の清算のための「調整的相殺」(ある賃金計算期間に生じた賃金の過払い分を後の期間の賃金から控除すること)を一定の条件で認めています。
[一定の条件]
(1) 過払いの時期と賃金の清算時期とが密接した時期になされること
(2) 労働者に予告しておくこと
(3) 控除額が多額にわたらないこと
 したがって、残業代の計算が間に合わず概算で支払われる場合に、その月に多めに支払っておき、翌月の残業代から控除することで法律上の問題はなくなるものと思われます。行政上も、払いすぎた分を翌月に差し引いて清算する程度は認めても労働者の生活を害するおそれはないと考えられることから、賃金計算上の取り扱いとして、労使協定がなくても労働基準法違反としては取り扱わないという立場がとられています(s23.9.14基発第1357号)。
 要するに、労働者の生活に支障の生じない程度の調整的相殺の場合に限り、全額払いの原則に違反しないとの判断ということになります。