改正労働基準法(平成16年1月)について

Q.平成16年1月に改正された労働基準法のポイントについて教えて下さい。

A.平成16年1月の改正は、有期労働契約の上限の見直し、解雇に係る規定の整備及び裁
量労働制の見直しを中心に改正されました。ポイントは下記の通りです。

【有期契約】
   @有期労働契約の契約期間上限が1年から3年に延長された。高度の専門的知識を
    有する労働者(博士・国家資格保有者など)、満60歳を以上の労働者は3年から
    5年に延長。

A有期労働契約を繰り返し更新していた場合、期間満了だからといって安易に契を
    解除することはできない。
期間満了時に契約解除(雇止め)するには、
    →労働契約締結時に「更新の有無」を文書で明示する。
    →更新がある場合、どのような条件があれば更新するかを明示する。
    →契約期間満了の30日前に更新をしないことを予告する。(1年を超えた場合)
→予告した時や契約解除後、労働者から更新しない理由について証明書を求めら
     れた時は交付する。

    

 【解雇】
   @今まで解雇についてどのような場合に解雇ができないかは法律に明記されていな
    かったが、下記の通り規定された。
    「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない
     場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」

   A整理解雇(リストラ)については、法律には明文化されていないが、判例では下
    記の要件を満たすこととされている。
・人員整理の必要性が存すること(経営難)
    ・使用者が解雇回避のために努力したこと(希望退職者の募集、配置転換)
    ・被解雇者の選定が合理的であること(会社への貢献度、対象者の生活水準)
    ・解雇の手続きが妥当であること(社員、組合への説明)

B解雇を予告された労働者は、解雇前(今までは解雇後だけ)でも解雇理由証明書
    を請求できるようになった。

   C就業規則及び労働条件の明示について、解雇事由の明記が義務づけられた。


【専門業務型裁量労働制】
   @専門業務型裁量労働制導入時の要件として、労使協定に下記の事項を定めること
    が義務づけられた。
・健康・福祉確保措置(社員の健康管理)
    ・苦情処理に関する措置(社員からの苦情窓口の設置など)
    ・上記の措置の記録保存(3年)

A対象業務として「大学における教授研究の業務(主として研究に従事するものに
    限る)」が追加された。


  【企画業務型裁量労働制】
   @対象事業場が本社等に限定されていたが、限定されなくなった。

   A企画業務型裁量労働制の導入の前提として必要とされる労使委員会の選出の基準
    の中から、「労働者の過半数の信任を得ている」という条件は不要となった。

B労使委員会は法38条の4.1項に定める7項目に関し決議をする必要があるが、
    この決議に委員全員の合意が必要だったのが、委員の5分の4以上の合意に緩和
    された。

C労使委員会の決議の有効期間(1年)が廃止された。

   D労使委員会の設置に関する労働基準監督署長に対する届出が不要となった。

E使用者が労働基準監督署長に対して行う定期報告事項の内容から、
「労働者からの苦情の処理に関する措置の実施状況」「労使委員会の開催状況」
が削除され、「労働者の健康及び福祉を確保するための措置の実施状況」のみの
    報告に限られることとなった。
    

  【36協定】
   @36協定において、延長できる時間には制限があるが、それを超える「特別な事
    情」がある場合には、その時間を超えて労働させることが認められている。
その「特別の事情」についてこれまで具体的に明記する必要はなかったが、これ
   を具体的に明記するよう義務づけられた。(顧客クレームへの対応のため等)