人事考課について


Q. 年末賞与等の人事考課を管理職に任せようと考えているのですが、考課者として心得ておくべきことを教えて下さい。

A. 人事考課にあたっては、従業員の職務に対する業績、能力、態度を公正な態度と冷静な観察判断をもって、客観的に評価しなければなりません。そのためには、次のことを厳守してください。

 
・ まずよく観察すること
部下の日常の勤務態度や言動について絶えず観察し、考課期間中に起こった諸事実について、その都度「人事観察記録」に記録し、評価の時期になって慌てて過去の記憶をたよるようなことのないようにしておきます。
記憶にたよることは、得てして最近の事実だけが材料になってしまい、公正を欠くことになります。

・ 部下の仕事内容と格付基準を知っておくこと
部下の仕事の種類と等級の要求する能力を基準とし、職務の系統をわきまえて評価します。

・ よく分析すること
ある考課項目について非常に優れていても、他の項目も同じように優れているとは限りません。
むしろ常人は長所も短所もあるのが当たり前です。逆の場合、ある項目が非常に劣っていると、他の項目も劣っていると誤りがちです。
漠然と印象だけに頼ると誤りを起こしやすいですから、考課項目ごとに、「評価内容が求めているものは何か」を十分理解することが必要です。

・ はじめから価値判断をしないこと
「この部下はもともと優秀だ」とか、「凡庸だ」といった先入観が働くと、評価が実際以上にかたよる危険があることを知っておくことです。

・ 考課項目別に評価すること
人物全体を価値判断することは考課の目的ではありません。
考課はあくまでも区分されたそれぞれの項目ごとに行わなければなりません。
「協調性」なら協調性だけについて全員のチェックを完了したうえで、次の項目の評価に移るようにするのも一つの方法です。

・ 考課項目に直接関係のない事項には、こだわらないこと
勤務を離れた個人的な付き合いなどの情実におぼれてはなりません。
また、学歴、家庭の事情等も勤務の成績とは関係ないことです。

・ 考課時間外の事実は考えないこと
時間外の事実は、それぞれの期間に応じてすでに評価が終了していますから、再び同一の事実にもとづいて評価をしてはなりません。
「以前こうだったから」という見方はさけると同時に、「噂」によって判断することは厳につつしまなければなりません。

・ 核心をつかむこと
末端の事柄に眼がちらついて大本を見失わないようにします。人間往々にして誤ちをするものですが、その誤ちの核心を充分に見極めなければなりません。
過重の仕事を与えたり、指示が不十分であったがために生じた失敗は、本来その部下の誤ちではないといえるからです。

・ 自分を評価の尺度にしないこと
評価する人が評価される人より優れていることは一般的ですが、自分を尺度として部下をおしはかるような意識は間違いです。
評価者はもっと客観的でなければなりません。

・ 好き嫌いを持ち込まないこと
人間誰しも肌が合う、合わないことがあるのはやむを得ないことでしょうが、あくまでも仕事中心に徹して公正でなければなりません。

・ 他人の批判を恐れないこと
上位者や所属長の思惑に左右されては、評価を任せられた価値がないと知るべきです。自信をもって評価者自身の評価をすることです。

・ その他考慮すること
一度つけた評価を修正すると、統一が乱れることも考えられます。
評価作業途中で雑用したり、人と話をしたりすると考えが混乱することもあります。評価を行うときは、時間や場所を定めて、集中し一気に仕上げることが必要です。