会社への貸付金を減らす対策について


Q.会社経営者です。今まで会社で資金が行き詰まると、銀行で利息を支払って借りるのも面倒なもので、個人の資金をいつも回しておりました。このまま放っておいて問題ないでしょうか。宜しくお願いします。


A.
役員借入金は、会社においては貸借対照表を汚すものであり、後継者も引き継いで喜べるものではありません。また社長のお立場からすると会社への貸付金は、相続が発生した場合には、相続財産を構成します。したがって、放っておくと大変なことになりますので、相続前に必ず整理しておくことです。
対策としては、いくつかの方法が考えられます。

1.
これ以上貸付金を増やさないことと、計画的な返済を実行していく。

2.
業績が振るわず税務上の繰越欠損金が残っている場合、債権放棄の手続きをしてお
   く。
3.
貸付金の現物出資による増資を行い、財務内容の健全化と相続税対策を行う。

4.会社が債務超過の状態であるならば、清算するのも一つの手だと考えます。

1は、対策を打てる期間が相当許され、中長期的に時間をかけて実行していく対策です。
2は、手間がかからずに早急に打てる対策です。ただし、繰越欠損金の範囲内で行わなわないと、会社に債務免除益が計上されますので注意が必要です。

3は、デッドエクイティ・スワップ(「債務の株式化」)と呼ばれるものです。返済される見込みのない金銭債権を現物出資し、その代わりとして会社の株式を取得する方法です。

この場合、ポイントはその手続きとその価額です。
まず手続き面について、現物出資の目的財産の評価が難しく、特に過大評価が行われると、資本充実の原則を侵すことになるため、原則として株主総会の特別決議を経て、検査役の調査が義務付けられています。

参考までに、検査役の調査が省略できる場合は、
@現物出資者に対して与える株式の総数が発行済株式総数の10分の1以下で、かつ、新たに発行する株式数の5分の1以下であるとき

A現物出資の目的財産の価額の合計額が500万円以下であるとき

B現物出資の目的財産がわが国の取引所の相場のある有価証券で、その価額を相場以下としたとき

C
現物出資に関する事項が相当なことにつき、弁護士、弁護士法人、公認会計士、監査法人、税理士、税理士法人の証明を受けた場合(目的財産が不動産の場合は、その証明および不動産鑑定士の鑑定評価を受けた場合)です。

次にその価額についてですが、売買実例や評価会社と類似した会社の株価がない株式は、純資産価額等を参酌して通常取引されると認められる価額で評価します。原則として、次によることを条件に財産評価基本通達により算定した価額となります。


(1)株式を譲渡する者が中心的な同族株主に該当する場合→小会社の例によること。
 (純資産価額若しくは純資産価額と類似業種比準価額の50%併用方式)

(2)純資産価額の算定にあたり、土地、上場株式は時価で評価すること。

(3)評価差額に対する法人税相当額(42%)の控除はしないこと。

4は、そろそろリタイヤも考えておられ、かつ、後継者もおられない経営者の方である場合に、最終的にはこれも一つのリタイヤメントプラングであると考えています。

具体的な詳細につきましては、必ず顧問の税理士にご相談の上ご決定ください。