定年延長のための再雇用制度採用についての注意点


Q.定年延長のための制度として、再雇用制度を採用しようと考えていますが、制度を作るときにどのようなことに注意する必要があるでしょうか。


A.再雇用制度とは、正社員のうち定年年齢に達した者を一度定年退職させた後、一般的に定年前とは異なる雇用形態、労働条件等で再度雇い入れる制度です。この制度を作るときには、

(1)再雇用対象者の範囲及び選定基準

(2)再雇用後の労働条件

について検討する必要があります。

(1)再雇用対象者の範囲及び選定基準

改正高年齢者雇用安定法において、再雇用制度の対象となるのは原則として、定年  退職者のうち再雇用を希望する者です。ただし、労使協定により再雇用の対象者に  係る基準を策定すれば再雇用する者を限定することができます。しかし、この基準  は、事業者が恣意的に対象者を排除しようとするものは認められず、意欲、能力等  を具体的、客観的に判断できるものでなければなりません。詳しくは厚生労働省の  ホームページでリーフレット「継続雇用制度の対象者に係る基準事例集について」  がダウンロードできますので、そちらを参照下さい。

http://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/kourei2/

(2)再雇用後の労働条件

   改正高年齢者雇用安定法では、再雇用後の雇用契約期間、賃金、勤務時間、職務等の労働条件については特に規制は設けられていません。中小企業での労働条件の設定の目安としては以下の通りです。

@雇用契約期間
原則1年契約とし、必要に応じて契約を更新するのが一般的だと思われます。

A賃金
再雇用制度を既に採用している企業の賃金減額率は2030%、3040%が多くを占め ています。(平成16年版「中小企業の賃金・退職金事情」)。これには高年齢者が会 社に勤務し、賃金をもらいながら在職老齢年金、高年齢雇用継続給付金を受給できる ことが影響しています。
 
賞与は支給する予定であっても支給せず、その原資を第2の退職金とするのが望まし いと考えます。社会保険料や税金の負担を考えると退職金の方が少なく、従業員にと っても事業主にとっても負担軽減になるからです。

B勤務形態
フルタイム、パートタイムの選択がありますが、厚生年金保険の被保険者として働い ている場合、在職老齢年金の一部が支給停止されますので、場合によっては、勤務日 数や勤務時間を通常の労働者の4分の3未満におさえ、厚生年金の被保険者にならず に勤務する方が、総収入の面で本人とってよいケースがあります。