投資ガイダンス
13.投資戦略の基本
                                                   

リスクとの付き合い方を学ぶ

 資産運用を考えるうえでリスクは避けて通れない問題です。最初からリスクの少ない投資方法を選択することも一つの方法ですが、それだけではリターンも小さくなってしまいます。

 資産運用ではリスクとうまく付き合うことが重要です。リスクのある投資をしながらリスクを小さくするために、リスク自体を分散させることが有効であり、@投資対象の分散(分散投資)、A投資期間の分散(長期投資)、B投資機会の分散(ドルコスト平均法)は投資戦略の基本といわれます。投資戦略における3つの基本を理解し、リスクへの対処方法を身につければ、むやみにリスクを恐れる必要はありません。

1.分散投資

分散投資の重要性

 分散投資の重要性はよく『卵とカゴ』の喩え話を用いて説明されます。つまり、いくつかの卵を1つのカゴに入れておいた場合、そのカゴをひっくり返してしまったら全部の卵が割れてしまいます。しかし、これをいくつかのカゴに分けておけば、1つのカゴをひっくり返しても、全部の卵が割れるということはありません。投資でも同じことが言えます。投資資金を多くの金融資産に振り分けることにより、ある1つの金融資産への投資がうまく行かなかった場合にも、資金(ポートフォリオ)全体に及ぼす影響を小さなものにすることができます。

分散投資の効果

 分散投資の効果を具体的に検証してみましょう。下図は3つのケースの運用方法について1984年から2003年までの20年間の運用成績をグラフに表したものです。

棒グラフは年間のリターン、折れ線グラフは20年前に、100万円投資したと仮定し、その後の運用資産の推移を示しています。(税金・手数料等は考慮しておりません)。

最初は国内株式100%で運用したケースですが、毎年の収益の変動が大きく、最高が60%、最低は40%マイナス(損失)となっており、マイナスリターンは1990年以降8回も発生しています。

2番目は国内株式と国内債券を組み合わせて運用したケースです。20年間の運用成績を見ると、年間の最高リターンは30%、最低は20%マイナスとなっており、国内債券を組入れることにより、運用成績が安定化していることがわかります。また、20年間運用したときの資産残高(折れ線グラフ)は国内株式100%で運用するケースを上回っています。

3番目は国際分散投資を行ったケースです。外国株式や外国債券などの外貨建て資産を組入れることにより、運用成績はさらに安定したものになっています。20年間の運用成績は、年間の最高リターンは20%ですが、最低リターンは10%程度のマイナスに抑えられており、100万円投資した場合の運用資産の推移を示す折れ線グラフは大きな下落を経験することなく安定的に増加しています。

株式や債券、外貨建て資産などの資産はリスク・リターンの特性が異なり、ある資産の価格が上昇しているときに、別の資産は下落しているといったことが起こります。これら資産に分散投資することにより、それぞれの資産の値動きから生じる利益と損失を相殺し合うことが可能であり、資産の組み合せ方によってはリスクを抑えながらリターン水準をより高めることができます。