投資ガイダンス
8.リスクを理解する
                                                    

1.リスクが低いとリターンも小さい?!

 資運用における『リターン』と『リスク』の考え方について一通り理解できたでしょうか?リスクには収益が期待よりも低くなることも高くなることもどちらの可能性もあると説明しましたが、収益は確実に見込めるほうがいいし、リスクは小さければ小さいほどいいに決まっています。しかし一方で、リスクとリターンは『トレード・オフの関係』にあることも認識しておく必要があります。つまり、高いリターンを望むならある程度のリスクを覚悟する必要があり、リスクを避けたいのであれば低いリターンしか得られません。したがって、リスクなら何でもとらないというのではなく、どうしてリスクが生じるのかその要因をしっかり理解することにより、無益なリスクを避け、有益なリスクならば積極的にとるといった姿勢が重要になってきます。

2.リスクを分解する

 資産運用に強くなるためには、リスクがどうして生じるのかその要因について理解する必要がありますが、その場合、まずリスクを『個別要因』と『市場要因』に分けて考えてみることが重要です。個別要因によるリスクとは、株式や債券を発行する個別企業の要因に基づくもので、事業活動の不振や業績悪化によって、その企業が発行する株式や債券の価格が下落することをいいます。『信用リスク』とか『事業リスク』とも呼ばれます。最悪の場合は倒産により企業の株式や債券が紙切れになってしまいます。



信用リスクや事業リスクの高い企業への投資はうまく行けば高いリターンを得られる一方で、失敗すれば紙切れになってしまう危険もあり、基本的には回避すべきリスクといわれます。株式や債券への投資では複数の企業の銘柄に分散投資することにより、個別企業のリスク要因をできるだけ避けることが基本といわれます。

 一方、市場要因はマーケットに共通するリスクのことです。株式市場の価格変動リスクが代表的なリスクですが、その他に金利リスクや為替リスク等があります。

それぞれ株価や債権価格、外貨建て資産の価格に対して大きな影響を及ぼしますが、相互にも影響を及ぼし合います。個別要因によるリスクは分散投資により避けるべきであるといいましたが、マーケットに共通するリスクは基本的には避けることができず、資産運用では市場全体のリスクを考えることがより重要になります。